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一例として、船長の機能モデルを図1に示す。図中、★がニアミスの原因として特定された箇所である。これらの分析により、ニアミスの原因は以下のとおり推定された。

1]役割分担不明確、2]情報収集・加工不適切、3]情報が共有されていない、4]コミュニケーション不適切、5]技術レベル・安全意識低下、6]船位測定の負担、7]各要員間の連携不適切

船橋における各要員間の情報の流れは、図2に示すように階層構造を形成しているものと考えられる。ヒアリングの結果、航行に必要な情報は不十分な点はあるものの、大半は船内で収集可能で、船長がある事象に気付いていなかったためニアミスが発生した事象でも、支援者の誰かがその情報を入手していたという事例は少なくなかった。ニアミスの最も大きな原因は、各要員間の情報の流れがどこかで途切れることにより、意思決定者である船長に必要な情報が伝達されないことと考えられる。

 

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図1 機能モデル及び原因(船長)

 

3.3 船橋における人的要因のまとめ

ニアミスは、各要員個々の機能が有効に機能しないことに起因するものも少なくないが、各要員の連携がどこかで途切れることが最も大きな原因であることが判った。

 

 

 

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