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ポイント

・フランスから提案のあった船齢15年以上のばら積み貨物船及び油タンカーの船底外板検査に関し、これを乾ドックのみにおいて実施することを要求する内容の決議A.744(18)の改正案については、今次会合において特段反対なく承認された。

 

・経緯

現在、ばら積み貨物船及び油タンカーの5年に2回の船底外板検査については、1回おきの船底検査は浮上状態(アフロート)で行うことを認めることができるとされているが、平成11年12月フランス沖で発生した「エリカ号」事故を受けて、フランス政府より今次会合に、船齢15年以上のばら積み貨物船及び油タンカーについては、その船底検査を乾ドックのみにおいて実施することを要求する内容の決議A.744(18)及びA.746(18)の改正案が提出された。

・審議結果

決議A.744(18)及びA.746(18)に関するフランス政府からの改正提案は、今次会合において原則合意された。しかしながら、右提案中、決議A.746(18)の改正については、次回旗国小委員会(FSI)において更に検討されることとなり、決議A.744(18)の改正部分のみが今次会合において承認された。決議A.744(18)の改正は、本年11月に開催予定のMSC73で採択された後、2002年7月1日に発効する予定である。

 

第45回海洋環境保護委員会(MEPC)

標記会合は、平成12年10月2日から6日にかけてロンドンの国際海事機関(IMO)本部において開催され、我が国からは30名以上の代表団が出席した。今次会合における主な審議結果については、以下のとおり。

 

1. エリカ号事故関連(議題7関連)

ポイント

シングルハルタンカーのフェーズアウト促進案(MARPOL条約1/13Gの改正)が議論されたところ、基本的合意が得られ、来春のMEPC46で採択、2003年1月1日より施行の予定。

特に問題となっていたカテゴリー2のタンカーに対しては、2003年1月1日より、古い船齢のタンカー(25年)から順次フェーズアウトし、2015年若しくは2017年1月1日までにフェーズアウトするというもので、我が国の主張が相当に認められた形。

 

今次会合で合意されたMARPOL条約附属書I(油による汚染防止)第13G規則(現存シングルハルタンカーのダブルハル化)の改正案骨子は次のとおり。

・カテゴリー1(pre-Marpo1船):2003年1月1日より2007年1月1日にかけて船齢の古いタンカーより順次フェーズアウト。

・カテゴリー2(Marpol船):2003年1月1日より船齢25年に達したタンカーよりフェーズアウト。2012年からは、フェーズアウトされる船腹量を年毎にある程度一定にするため船齢制限を24、23、22...と減少させ、最終年限を2015年若しくは2017年とする2つの選択肢。

・カテゴリー3(13G対象外の小型のタンカー):5000DWT以上のタンカーを2003年1月1日から船齢の古いものより順次フェーズアウトし、最終年限を2015年若しくは2017年とする2つの選択肢。

・カテゴリー毎に、ある年齢、年限を超えて使用する船舶には、船舶の延長使用を可能とする制度が課されることとなっており、Condition Assessment Scheme(船舶の状態を評価する制度)と称する新たな制度又はESP(検査強化プログラム)に基づく特別な検査制度の2つの制度が併記されている。

 

 

 

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