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図11.4-1には、市場占有率及び船舶サイズの仮定の変化がどのように必要船舶数の推定値に影響を与えるかを示している。同図の推定では、それぞれの船舶が週2回の往復航海することを想定している。これは合理的な全体の平均値であり、Ro-Ro船が使用された場合、短距離航路では同数値を超える可能性があるが、その一方でリフトオンリフトオフ船舶又は曳船バージは、大多数の航路で往復航海の回数がより少なくなる。

図11.4-1には、将来的な必要船舶数が、1,000DWT程度の船舶が標準となった場合及び25%の高い市場占有率を達成した場合の110隻まで示している。しかしこれは、あまり起こり得ない。合計で31隻の船舶を示している表11.3.3-3の推定値は、加重平均による市場占有率である14.3%及び平均船舶サイズが3,000DWTをわずかに下回る場合を反映している。同推定値がより現実的である。

 

11.5 沿岸輸送の発展に向けて

 

第2章で述べたように、道路分野の並外れた優勢は比較的長距離輸送のバンコクと南部の間の沿岸輸送産業に非常に大きな発展の機会があることを示唆している。タイの地形も、この点で好条件となっている。海上輸送航路は、多くの場合、道路輸送路線よりも距離が短い。

しかし、道路輸送と効果的に競争するためには、沿岸輸送は多くの面で満足なレベルのサービスを提供する必要がある。

 

11.5.1 費用

 

一般的な沿岸輸送サービスは、沿岸輸送が可能になる前にかなりの量の貨物を集荷する必要があることを埋め合わせるために、道路と比較して絶対的な費用優位性を提供する必要がある。この費用的優位性は、全行程費用で成り立たなければならない。全てではないが、多くの場合、沿岸輸送は航海の終点で補助的な道路輸送を無料で提供する必要があると考える。これは、バージ及びリフトオンリフトオフ船舶の場合、貨物を一方の輸送手段から他方へ移行する際の追加費用があることも含めている。

 

11.5.2 高信頼性

 

信頼性はどのような形態の定期サービスにも重要である。長年、サービスが予測可能であることが荷主が選択する際の重要な要因であったが、ジャストインタイム輸送方式の広まりと在庫最少化の形態により、近年輸送サービスの高信頼性により大きな重点がおかれるようになった。

 

 

 

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