表8.6.2-1から、同航路でもすべての海上輸送手段が道路に対し費用面で非常に優れていることがわかる。しかし本ケースの場合、伝統的なバージの低運航費用を相殺するだけの復路貨物を引きつけることが可能であるという点で、Ro-Ro船が最も経済的な選択肢である。更に、表8.6.2-1と表8.6.1-1の比較から、レムチャバンを経由し、その後マプタプトまで道路で接続するRo-Ro船のサービスが、伝統的なバージによるマプタプトヘの直接便よりも競争力があることがわかる。
これにより冷間圧延及び熱間圧延コイルのフェリーサービスによる輸送の可能性も上げられる。冷間圧延コイルに関してのRo-Ro船のバージに対する優位性は、より良い貨物保護取扱及びより安価な貨物手数料とともに、より高速でより高頻度のサービスを提供できることである。これらの優位性は熱間圧延コイルに対しては比較的低くなる。しかし、もしRo-Ro船のサービスが費用観点で競争力があるならば、熱間圧延コイルに対しても実行可能な選択肢となる可能性はある。
この可能性が事業費に与える影響を、モデルを用いて判断した。貨物ベースの熱間圧延コイルはより大きな船舶の使用を可能にし、そのためスケールメリットも可能にする。しかし、復路の充分な貨物を得ることが困難であるため、スケールメリットは完全には発揮できない可能性がある。モデルによると、積載率は72%となると予想される。