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この比較的小さな変化よりも重要な事は、指定車両積載限度の厳守の問題である。公式には、5車軸セミトレーラーは21トンまで運搬できるのに対し、10車輪トラックの積載荷重は13トンに限られている。しかし、本調査の過程で、調査員は幾度も組織的な積載超過が行われているとの主張を聞いており、これらの主張は偶然の目撃によるものと思われる。しかしながら、規則違反の積載超過の広まりは経済及び社会的影響が危惧されている(トラック自体及び他の道路利用者に対する安全への影響以外にも、道路保全予算の増加への影響は大きい。)。車軸当たりの積載量が道路設計上の基準を超過した場合、一軸積載量の4倍程度に道路の損傷は増加する。従って、トラックの積載超過は運送料に反映されない非常に重大な外的費用を伴っている。これは輸送モード比率を大きくゆがめる可能性がある。

 

3.2.2 道路の供給量及び利用状況

 

表3.2.2-1:DOH管轄下の道路網の種類別長さ(1989〜1998)

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幹線道路局(DOH)の管轄下にある有料及び国内幹線道路網は、長距離道路輸送に使用される道路輸送システムの中心となっている。1989年から1998年に渡り、同道路網内の道路の長さは約19%も増加し、44,400kmから53,100kmになった(表3.2.2-1参照)。

同期間中の、同道路網における車両利用は4,160万から1億580万車両kmに増加した。後者の数字はアジア経済危機による自動車利用低下の影響を反映した数字である。その前年(1997年)の総移動距離は1億1千万kmを超過していた。

 

 

 

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