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2.5 産業構造の変化

 

過去20年間のタイの経済成長は、大きな産業構造上の変化を伴っている。

これらの変化の中心は、自由経済を推進し、貿易を活発化したことである。図2.5-1は、1960年以降のタイの輸出入成長がGDPに占める割合を示している。貿易分野の重要性が1980年代半ばから急速に増加していることが明らかである。1960年には、輸出入はタイのGDPの約35%であり、25年後の1985年には50%となった。しかし、1999年までに貿易分野の総額はタイのGDPの100%を上回っている。

 

図2.5.1:タイのGDP比率に対する輸出入額(1960〜1999)

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この変化は第一次産業から第二次、第三次産業への移行の影響を受けている。産業構造の変化を受けて、農業に従事する労働者数が減少する一方、工業・サービス分野における労働参加者数は1980年以来20年間に渡り継続的に増加している。

この傾向は1997年以降のタイの経済回復後にも見られる。タイ経済の全体的な成長は、輸出分野における成長の回復に支えられている。米ドル建ての輸出額は、1999年の初めの11ヶ月間で前年の同時期と比較して6.7%増加した11。コンピューター及びその部品、織物、宝石及び宝飾品、電子製品、自動車製品を含む製造業の輸出は輸出全体の80%を占めている。

 

11 Thailand Development Reserch Institute

 

 

 

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