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ビルジ油水は分離効率を増すために50度に熱された後、油水中の固形分と油分を分離する第一段に入り、さらに、フィルター(膜)によりエマルジョン化された油分を取り除く第2段に入る。スラッジは、SDwUにより脱水される。SDwUはオプションとなっている。

Marinflocは120基以上の搭載実績があるが、そのうちの30基はRCCLのクルーズ船に搭載されたものである。Marinflocにより排出油分は1〜3ppmに、また、SDwUによりスラッジ中の水分は75%から30%に減るといわれている。

 

そのほか、油水分離に関連して海軍が開発中の技術に、液体炭酸ガス抽出技術を用いる処理技術と油分モニターへのアルゴリズム技術の応用がある。

前者は、コーヒーのカフェイン成分の抽出等に利用されている液体炭酸ガス抽出技術を利用して、ゼロ排出を狙う画期的技術である。現在大部分の艦艇に搭載されている平行板OWS/OCMは、ビルジ油水中の90%の油を分離することができるが、その廃水は常に15ppmを満たしているとは限らない。セラミック膜の艦上デモンストレーションでは10ppm以下の排出が確認されているが、将来排出基準が5ppmになった場合に排出が常に5ppm以下であるという保証はない。液体炭酸ガス抽出技術の陸上試験では、ほぼゼロppm排出が可能であることが確認されている。第5-6図は、本技術の基本的ダイアグラムを示したものである。

 

油分モニターのアルゴリズム技術は、OCM性能向上により全体の油水分離性能を向上させることを狙ったものである。すなわち、OWS通過後の排水中の燃料、オイル、潤滑油成分等の量を正確に表示するアルゴリズム技術を完成し、油水分離性能を落としている原因となっている油を突き止めて対策をとり得るシステムを既存のOWS/OCMに組み込んで、全体の油水分離性能を高めようとするものである。

 

 

 

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