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USCGが焼却炉のバックアップあるいは小型カッター用に採用した圧縮機は、紙、カードボード、プラスチック、缶等を圧縮して小容量化する簡単な機械で、圧縮した廃棄物は船上に保管して陸揚げ処理する。この場合、プラスチックが分離されている場合は許可された海面で廃棄することも可能である。圧縮機の問題点は、処理後の廃棄物の保管に場所をとり、臭気、蝿等が発生し乗組員を不快にすることである。圧縮機の選定に当たっては、海軍のNAVSSES発行の市販圧縮機選定ガイド(Selection Guide for the Procurement of Commercially Available Trash Compactor)を参考とし、最終的にInternational Compactor Inc.のモデルMP80をWAGBに、モデルMP60を378フィートWHECに、モデルMP40を270フィートWMEC及び210フィートWMECに採用した。

 

パルパーは、海軍のそれと同じく食物屑とともに紙、カードボード、を粉砕してスラリー化することが可能である。MARPOL 73/78は特殊地域を除き1インチ四方に砕かれた紙、カードボードを陸地より3海里以遠の洋上で廃棄することを認めている。パルパーの欠点は、プラスチックを分離しなければならないこと、運転時の電力消費が多いこと、スラリー化に大量の水を必要とし運転上のリスクを伴っていること等である。

スラリー化された廃棄物の海洋廃棄がある種の生物にとっては危険物になることも、心得ておかなければならない。USCGはパルパーの評価研究を実施したが、3-12海里でパルパーからの海洋廃棄が禁止されている海域ではパルパーを圧縮機及び焼却炉と併用することを勧めている。

第4-1表に、USCGカッターの固形廃棄物処理機器一覧表を示す。

 

 

 

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