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また、後述のように、フィリピンにおける市場調査の結果、本プロジェクトに影響を及ぼすと考えられる要因が2点あった:

→ 日本製高速エンジンに対する評判が芳しくない。日本製エンジンは低速船舶及び漁船用として優秀だとみなされるが、高速船用としてはMTU製に匹敵しないと考えられている。また、現地代理店のサービスが貧弱と考えられており、部品の調達にも時間がかかると指摘されている。

→ 景気状況が厳しいため、小規模事業者の殆どは船価の問題から中古高速旅客船の購入に傾きがちであり、新造船を購入する場合は、フィリピンペソでの低利、高融資比率(可能であれば100パーセント)の融資を求めている。

日本エンジンメーカーがフィリピン高速船市場において販売を拡大するには、上記問題に対処する必要がある。

また、既存の旅客船事業者はヨーロッパや米国製エンジンメーカーに取り込まれているので、ミンダナオなどで新規の旅客船事業者にアプローチすることも一計である。

 

・St Samat社(マニラ)

同社はマニラ〜バターン間(距離24海里)で、1日4往復を就航している。2隻の旅客船を使用しており、同路線の40パーセントのシェアを有している。この2隻の高速旅客船は、ともに過去2年間にオーストラリアから購入したもので、旅客定員200名、巡航速度28〜30ノットである。

同社は、7海里の新規短距離路線を開通する計画を立てており、これには既存の旅客船を使用する予定である。従って、マニラ〜バターン間向けに以下の条件で代替船舶を探している。

・速度:28〜30ノット

・旅客定員:200名

・素材/船種:アルミ製カタマラン、うねり1.5メートル

・寸法:8メートル×25メートル

・エンジン:日本製も可。但し消費燃料は28ノットあたり300〜350リットル

 

 

 

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