日本財団 図書館


3.2.2.2 東南アジアにおける日本のエンジンメーカーの評判

日本製エンジンの東南アジアでの評判は、概して、作業船向けの頑丈で燃料効率の良いエンジンであるというものであるが、このイメージが旅客船に適したエンジンであることには繋がっていない。

しかし、このことにより日本のエンジンメーカーが当地域における競争に勝つことが困難であるというものではない。本プロジェクトを通じて、東南アジアでは日本製エンジンは好評を得ており、同エンジンの顧客となりうる事業者がいることがわかった。問題は、これらの顧客のうちほとんどが、日本製エンジンが小型、中速旅客船に適していることを認識していないということである。

東南アジア地域においても、日本のエンジンメーカーは効果的なマーケティング活動を繰り広げる必要があると考えられる。

 

3.2.2.3 東南アジア市場における今後の見通し

東南アジア旅客船市場において日本製エンジンの将来は明るい見通しである。その理由として:

→ 小型で経済的な旅客船への傾向:フィリピンでは、大型、高速旅客船は経済的ではないため、ほとんどの旅客船事業者は日本製エンジンに適した小型旅客船へと転換している。

→ フィリピンにおける高燃料コスト:フィリピンでは燃料費が高価なため、旅客船事業者は燃料コストを削減することのできるエンジンを使用したがっている。日本製エンジンは燃料効率が優れているため、フィリピンの顧客にとっては非常に魅力的である。

→ エンジンのメンテナンス費用:東南アジアの旅客船事業者は、欧米のエンジンのメンテナンス費用が高価であることに不満を抱いている。これに対し、日本製エンジンのメンテナンス費用はより安価であると考えているので、日本のエンジンメーカーはこれを活かしたマーケティング活動を行うとともに、充分な説明とサービスを提供することが必要とされる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION