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二つの概念がある。プロセス・パフォーマンス・メジャーメントとプロセス・ベンチマーキング。プロセス・パフォーマンス・メジャーメントの目的は、効率、コスト、収入、効用等のゴールと目的に対する現在の状態を評価することである。一方、プロセス・ベンチマーキングの目的は、会社のためのゴールと目的を設定することである。これの実施方法は、最も良い仕事と作業の実際を明確にすることである。プロセス・ベンチマーキングは、それを遂行するために、広範に情報の共有化を活用する必要があるのは明らかである。

 

・結論

1990年代、高速フェリーは、大きな機器信頼性問題を経験した。これらの問題の根本原因は、同様な問題を回避するため、さらに調査される必要がある。高速フェリーの船主及び運航者は、利益を最大化するため、機器の信頼性にもっと焦点を当てるべきである。保守整備戦略でうまく行くためには、信頼性向上に焦点を当てたシステマティックな努力が必要である。診断と予防の混合のように、失敗に至る要素が最適条件を与えるであろう。ワールドクラスの保守整備実践を達成した革新的産業の会社は、今やより高い正味資産に対する見返り(RONA)を享受している。彼らは保守整備コストを30〜60%削減による利益を得るのみならず、資産の高い活用性により収入を増加させている。加えて、信頼性戦略によるスペアパーツ目録の最適化により、多くのケースで、彼らはスペアパーツに対する投資を削減できる。これはさらにRONAを増加させる。彼らにとって、信頼性は今や主要な競争上の強みになっている。

高速フェリー業界にとって、信頼性及び保守整備戦略の継続的な向上のためには、機器性能情報の共有化の業界横断的努力が必要である。十分な質と量の信頼性データの収集は、根本原因分析と信頼性向上に欠くことが出来ないものである。会社間の情報共有化を行うために必要な文化の変化が、いくつかの高速フェリー運航者に、定性的な機器性能データについては既に起こっている。次のステップは、信頼性をさらに向上させるため、定量的なデータの共有化への動きである。高速フェリーの運航者は舶用機器性能データ交換の業界横断のハブを作ることが出来る。

 

 

 

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