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b.長さ50m以上、速力35ノット以上の高速旅客フェリー

・建造隻数は、1990年から増加しはじめ、1999年には年間20隻を超えた。(2000年には12隻に減少)

・推進システムには3タイプ(1]シングルラインシステム(個々のディーゼルエンジンが独立した(それぞれが減速機等を持つ))システム)、2]ディーゼルとディーゼルの結合システム(CODAD)、3]ディーゼルとガスタービンの結合システム(CODAG))あるが、ディーゼルエンジンが市場を支配。最近はディーゼルとガスタービンを結合したシステムが増加しているが、これは要求出力と積載重量の増加の反映である。

 

2. 主要メーカーの動向

(1) MAN B&W Diesel Ltd., UK

MER (March 2000)において、英国のMAN B&W Diesel Ltd.(旧Alstom Engines6)の新しい高速船用エンジンRuston RK280について以下のような紹介がある。

・商船や軍艦において、より高速の船、より高負荷の船が要請されていることから、Alstom EngineのRustonは、より高出力でより軽量の新しい中速エンジンRuston RK280を開発した。

・同社の高速船用エンジンのRK270は1990年に初めて高速フェリー(74mのIncat)に搭載されたが、それ以降最大出力は3650kWから7000kWとほぼ2倍になった(資料図5参照)。

・新しいRK280は、9MWまでの出力をカバーし、特に高速船の設計者や運航者を魅了する重さ当たりの出力及び燃費を約束する。

 

(同社のエンジンシリーズについては、「第II編 欧州の主要メーカーの動向」を参照)

 

(2) MTU Motoren- und Turbinen-Union Friedrichshafen GmbH, Germany

Conference ”Propulsion 2001 : High Speed Tech”7 において、MTUのMr. Christian Beiner (Senior Manager, Ship Systems Technology, Commercial)は、MTUの動向について講演した。その概要を以下に示す。

MTUは高速船のエンジンを製造・提供してきており、現在、全世界において約2,500台のMTUのディーゼルエンジンが高速フェリーに搭載されている。2,100台を超えるエンジン(183シリーズ、2000シリーズ、396シリーズ、4000シリーズ)が長さ50mまでの船舶に搭載されてきた。

 

6 2000年6月、MAN B&W Dieselに買収され、MAN B&W Diesel Ltd.となった。

7 2000年11月、I.Mar.E.の主催でロンドンで開催。

 

 

 

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