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1988年から2003年までに引渡のRoPaxの受注高は100億ドルを超えた。うち60%強はA3型で、全船型の平均船価は8,700万ドルとなっている。

表52に示したように、Schichauは受注価格、隻数ベースとも9%の市場シェアを有しているが、上位4社の順位はいずれのベースによるかで異なる。Kvaemer Masaは1隻当り平均船価1億5,100万ドルを6隻で価格ベースでは第2位になる。Apuaniaは各1億1,300万ドルのA3型7隻で第3位。同社が受注した9隻中2隻については船価が明らかになっていない。AESAの受注は各6,400万ドルのやや小型のA1型に集中しているので、船価不明の2隻を算入しても実際のところ順位に変動はなさそうである。

2000年以降に発注された最近の船舶ではパターンが全く異なっている。発注総数43隻のうち29隻はA3型、A2型はわずか5隻である。受注総額は31億ドル、平均船価は9,200百万ドルとなっている。表5.3に造船所別の分布と、船価が明らかにされている34隻の価額を示す(AESAの2隻を除く)。

 

表5.3 2000年以降就航予定のRoPaxの造船所別受注高(単位百万ドル)

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極東の造船所も進出してきて、A3型RoPaxさえ受注しているが、その成功は低船価によるものと見られる。いずれの案件も全体平均価格を大きく下回っており、したがって最高に賛沢な基準に合致した艤装仕様の船舶となっていないものと思われる。

 

 

 

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