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ヴィーダは、もともとは輸出船としてニューポートニューズが建造した5隻のプロダクトタンカーを買い取った結果、この部門で大手にのし上がった。第5位はエクソン・モービルの内航海運子会社であるシーリバー・マリンである。シーリバーは10隻のタンカーを運航し、そのうち5隻はアラスカ原油航路で、3隻は沿岸プロダクト航路に投入されている。10隻目のタンカーであるS/R Mediterraneanは元エクソン・バルデズ号である。同船はジョーンズ・アクト航路運航資格を有しているが、現在は外国原油航路で運航されている。

 

内航運航資格を有する船舶の運航区間

166隻の内航船のうち71隻が米国東海岸、西海岸、メキシコ湾岸で運航している。これらの多くが、メキシコ湾岸沿いまたはメキシコ湾岸と東海岸の間を運航するプロダクトタンカーである。さらに22隻が、アラスカのアリエスカ・パイプラインと太平洋北西岸またはカリフォルニアの精製所の間を運航している。19隻はハワイ-西海岸航路でコンテナ輸送に従事し、9隻はプエルトリコ-東海岸航路のコンテナ航路、8隻のコンテナ船がアラスカ-太平洋北西岸航路で運航している。内航運航資格を有する船の一部には、実際には内航運航に従事していないものもある。内航運航資格を有するLNG船7隻は、外国間航路で液化ガス輸送に従事しており、タンカー(兼用船を含む)の中には遊休状態のものや、穀物輸送に使用されているものもあり、また10隻が軍事海上輸送部隊にチャーターされている。

 

内航運航資格を保持する船舶の建造者

米国内航船の造船所として実績があった主要4社のうち、ベツレヘム・スチールとサン・シップの2社はすでに廃業している。残りのアボンデールとNASSCOは今も内航船建造を手掛けているが、現在の工事は主として海軍向けとなっている。この他の内航船主要建造者としては、ジェネラル・ダイナミクス-クインシー造船所、ニューポートニューズ、インガルス、FMC ポートランドが挙げられる。この中で、現在も新造を手掛けているのはニューポートニューズとインガルスだけであり、両社共に米国海軍向け艦艇建造に焦点を当てている。

 

 

 

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