日本財団 図書館


研究開発については、平服の研究開発、調達担当国務次官補とCNOが共同で管理にあたっている。海軍研究所のほとんどは、CNOの管理する海軍海上システム司令部(Naval Sea Systems Command:NavSea)に所属している。

各研究所には当然平服及び軍服の研究者が混在しており、多くの場合平服の長と軍服の長が並立するが、平服の長は軍服の長の指揮下にある。

 

DARPAは、DOD直轄の機関である。DARPAの設立は、1958年と古い。DARPAの設立目的は、革新的な国防システムの研究開発を計画、実施するとともに、その支援を行うことであった。

これは、ソビエトの人工衛星スプートニクの打ち上げ成功に刺激された結果であり、当初は米国の宇宙開発研究機関として設立されたものである。DARPA設立後8ヶ月で軍事宇宙関係を除く全てが新設のNASAに吸収され、DARPAの役割は主に先進軍事技術の基礎研究に限定されることとなった。

DARPAの関係した軍事技術としては、核爆発探知技術、在来型弾頭もしくは核弾頭を装着した地対空迎撃ミサイルを使用する戦術ミサイル防衛構想実施計画等がある。冷戦構造終結後のDARPAは、SEMATECHやMARITECの調整役としての能力を高く評価されてきた。

参考資料10によれば、1996年度に海軍省及びDARPAから支出された造船及び舶用工業に関係する軍民両用プロジェクトは下記16プロジェクトで、この中にはMARITECのごときコストシェアリング・プロジェクトもあるが、大部分は軍研究所が中心となり多数の民間企業及び大学等の協力を得て実施された海軍独自の両用プロジェクトで、予算総額は2億7,330万ドルに及ぶ。

これら16プロジェクトの成果が最初から民生転化可能なことは勿論であるが、これら以外に軍研究所で独自に開発された技術の民生転化の方式も各研究所ごとに定められている。

* 生産技術開発

造船業及び舶用工業を含む軍事産業の生産技術及び生産性の向上。

* 国防科学プログラム

海軍力維持のために必要な新しいコンセプト、技術的オプションの発掘(高温超伝導物質、セラミックの応用等)。

* 海軍軍民両用技術

軍民両用技術の開発

* 水上航行艦艇技術

海軍艦艇に応用可能な船体、機関、電気に関する技術開発。

* ガスタービン技術

艦艇用ガスタービンの改良、ICRガスタービンの開発等。

* 船上機器の改良研究

機械、電気システム(除く推進システム)等の改良研究。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION