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さらに、Hamworthyはオフショア市場に強い一方、KSEは姉妹企業(Kvaerner Eureka)に同市場への参入を制限されていたことから、買収は、KSEの製品をオフショア市場に販売することを可能にする。

Hamworthy KSEは、機関室ポンプ、バラストポンプ、消防ポンプ、ディープウェルポンプ等世界で最も広範囲なポンプを提供すると言っている。KSEを買収した後、同社はポンプ範囲の統合に着手し、多くの変更を行ったが、その具体的な情報の提供は拒否した。

Hamworthy KSEは、現在もなお、買収後の組織改正に取り組んでいる。同社はこれを進行過程ととらえており、それにより活動の重複を取り除こうとしている。これと並行して、同社は品質の高水準なレベルの維持を継続して目指している。例えば、LPG船に関し、Hamworthy製のSvanehojポンプはKSE製のものより優れており、これをKSEのイナートガス装置や再液化装置と組み合わせて高品質の統合システムを提供することとした。言い換えれば、提供されるパッケージ機器においてKSE製ポンプをHamworthy製Svanehojポンプに置き換え、品質を高めた。

Hamworthy とKSEの合併は、社内における製造の合理化(低コスト地域における製造等)の必要性を引き起こした。

英国、デンマーク、ノルウェー及びシンガポールにおける製造は、高技術部品や特殊製品の供給及びプロトタイプテストの実施において主要な役割を担い続けるであろう。低コストのオペレーションは、必要な品質レベルを満たすことを前提として、標準部品の機械加工と製造に利用されるであろう。

しかしながら、極東のシンガポール並びに欧州のAalborg(デンマーク)及びPoole(英国)の製造・組み立て工場は、製造コストが他の地域に比べて高いが、閉鎖されず、運営され続けるであろう。これらの欧州と極東の製造能力を維持する理由は、非常に短いリードタイムの需要を持つ代替えポンプ市場に対する迅速なサービス提供能力の必要性を同社が認識しているためである。

同社のグローバル製造戦略では、コストとともに、リードタイムと顧客に対する効果的なサービス提供能力が考慮されている。その結果として、また、極東の重要な造船市場に対するサービスを継続的に向上させる必要性の観点から、Hamworthy KSEは、1998年、上海から内陸に約60kmにあるSoochowに組み立て工場を設立した。

Soochow工場は、現在敷地が1,000m2であり、6,000m2まで拡張できる余裕がある。その工場は、当初、汚水処理装置を製造していたが、常に、適当な時期に能力を拡大して他の製品を製造することを意図されている。現在、同工場は真空トイレットも製造しており、製造活動範囲を確実に拡大していくことが計画されている。

2つの中国での事業(子会社1社とジョイントベンチャー企業1社)に関し、Hamworthy KSEは品質に関して妥協はしないと言っており、実際、子会社はISO 9002や他の品質資格及び船級協会の資格を取得している。

 

 

 

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