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KSEの買収は、1998年12月末に£34百万で最終決定がなされた。なお、KSEは£10百万の現金を保有していたため、Powell Duffrynの正味のコストは£24百万であった。

 

1.4 親グループ

Hamworthy KSEは港湾事業及びエンジニアリング事業に従事する英国の複合企業Powell Duffryn plcに属する。

 

この2〜3年にわたりPowell Duffrynは大幅な事業の構造改革を実施した。この構造改革により、石炭、LPG及び石油の流通事業を処分した。これらの事業は、かつてのPowell Duffrynの主要事業であったが、これから完全に脱却することとなった。

同グループは、現在、港湾事業とエンジニアリング事業に焦点を絞っている。同グループは、以前の事業がかなり天候に左右されたが、現在の事業は利益の予測が可能であり、それが利点の一つであると考えている。これらの事業の売却は、同グループに企業買収の手段を提供し、実際上、同グループが適当と判断した時に投資をする柔軟性を提供した。

1998/99会計年度、Powell Duffryn plcの税引き前利益は£53.7百万、売り上げは£409.1百万であった。石油製品は価値が高いことから、石油流通部門の売却はそれだけでもグループの売り上げを約半減させた。しかしながら利益はほとんど変化していない。これにより、グループ全体の運営の余裕を倍増させることが出来た。

石油流通部門は高収入を得ていたが、従業員はそれほど雇われていなかった。このため、石油流通部門が売却されたとき、グループの従業員数の減少は、売上高の減少に比べて小さいものとなった。石油流通部門の売却は、Powell Duffrynにとっての事業投資に大量の資金提供となった。売り上げの高い事業分野からより利益の高い事業分野への転換というこの戦略は、成功したように見受けられる。

 

Powell Duffryn plcの実績

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1998/99会計年度、Powell Duffrynのエンジニアリング部門の4事業は、売り上げ£229.8百万、利益£21.9百万を記録した。このエンジニアリング部門の4事業とは、30頁の組織図に示されているように、Hamworthy KSEの他、Hamworthy Bell & Morcom、Hamworthy Combustion Engineering及びGeesink Groupである。

 

 

 

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