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II Hamworthy KSE Limited

1. 合併・買収の背景

1.1 グループの戦略

1990年代を通してPowell Duffryn3は活発に会社の買収を行い、Hamworthy Marineに統合させた。即ち、1990年にSchilling Ruddersを、1993年にSvanehojを、1997年に米国のバキューム・トイレット事業を、1998年末にはKvaener Ship Equipment (KSE)を買収し、Hamworthy Marineに統合させた。

1996年末にかけてHamworthy/Powell Duffrynは潜在的な買収標的会社を見極めるため、有力な経営コンサルタントを雇った。多くの会社について検討がなされ、いくつかの会社は金額に値する価値がないことから却下され、いくつかの会社は商取引上の基礎の弱さ(fundamental commercial weaknesses)から却下された。いくつかの会社については買収を行ったものの成果が得られなかったものもあったが、これらについて、Hamworthy KSEは明らかにすることを拒否した。

 

1.2 合併前のHamworthyとKSEの活動

1.2.1 Hamworthy Marine

Hamworthy Marineは、1962年以来、エンジニアリング及び流通関係の複合企業Powell Duffrynの100%子会社である。同社は、1995年始めにPowell Duffrynグループの独立組織となり、それ以来個別企業として運営されている。同社の従業員は約900人であり、その多くは英国Dorset州Pooleの本社に所属し、残りの多くはデンマークと米国の子会社に所属し、オランダに24名、シンガポールに6名、ドイツ、インド、カナダ、米国及びアフリカに各1名配属されている。

Hamworthy Marineの主要な製品は、空気圧縮機とディープウェル・カーゴポンプである。ディープウェル・カーゴポンプはデンマークの子会社Svanehojにより製造されている。Hamworthyは、Svanehojがカーゴポンプを20年間にわたり製造しており、その開発における世界的なリーダーと考え1993年に買収した。カーゴポンプに関し、Hamworthyは、ノルウェー企業Frank Mohnに加えて、Kvaerner Ships Equipmentを欧州における主要競合相手の一つと考えていた。

Hamworthy Marineは6つの製品グループを有していた。空気圧縮機、機関室用ポンプ、ディープウェル・カーゴポンプ、汚水処理装置、高揚力舵及び真空トイレット・システムである。

 

3 Hamworthy Marine(現Hamworthy KSE)の親グループ

 

 

 

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