日本財団 図書館


・出力取出用の増速歯車装置

・特殊歯車装置(最大ギア比、トルク要件を超えるもの)

・砂用ポンプ駆動装置(5000kWまでの駆動用)

 

これらはLohmann & Stolterfohtにより製造されていたものであるが、成熟製品であり、Flenderへの事業売却の影響を受けなかった。言い換えれば、上記の製品範囲は、FlenderによるLohmann & Stolterfohtの舶用歯車事業の買収により変更されることはなかった。常に、同社の舶用歯車の約70%は常にカスタム・メードである。

1998年9月から、舶用製品のアフターサービスはHerne工場に隣接したFlender ESATを介して提供されている。Flender ESATは、12頁の組織図におけるEngineering & Service Divisionを構成する唯一の会社となっている。Flender ESATは、予備品の供給、下請け作業、組み立て・検査、解析・診断サービスに加え、歯車装置及び駆動システムの修理、保守整備、サービス及び改造を実施していた。Lohmann & Stolterfohtの舶用歯車装置部門の買収以降、Flender ESATは舶用エンジニアリングを発展させ、また、歯車以外についても実施するようになった。最も重要なものは、浚渫船の駆動装置及び装置の設置に関する新しいサービスである。

 

3. 中・短期的成果

3.1 短期的成果

買収以降、舶用歯車事業はその売り上げが顕著に増加した。これは、主に老朽船団による市場の改善と海運活動の増大によるものである。

Flenderは、Lohmann & Stolterfohtの事業を買収した直後の1年間における舶用製品の年間売り上げを60百万DM(42億円)と予測していた。Lohmann & Stolterfohtの舶用歯車の年間売り上げは40百万DM(28億円)程度であったと思われる。FlenderによるLohmann & Stolterfohtの買収以降、現在では売り上げが60%以上増加した。これは特に新フェリー建造の急増によるものである。すなわち、現在の年間売り上げは約64百万DMと推定される。

Lohmann & Stolterfohtの舶用歯車事業は、西ドイツのWitten(Dusseldorfの近く。FlenderのHerne事務所から約20kmの地点。)で行われていた。結果として、設計者と販売チームはWittenからHerneに移った。Flenderは、これらの人員を維持しようとし、Herneをベースとさせた。これにより、彼ら全員は仕事を維持するために引っ越しをする必要がなくなった。現在のところ、設計と販売部門に30人の職員がいるが、23人はHerneに勤務し、7人は別のところに勤務している。Flenderは、Bocholtでは非舶用製品も製造しているので、同工場における舶用製品製造に従事している従業員数を明確にすることは出来ないとしている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION