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カンボジアの輸送体系は、道路、鉄道、航空、水運から成り立っているが、全国的なネットワークとしては道路網のみとなっている。

 

表3-1 国内輸送量(1995年)

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3.1 鉄道輸送

カンボジアの鉄道の運営主体は、カンボジア国鉄道公社である。

カンボジアの鉄道は、旧線(北線:プノンペン〜ポーサット〜バッタンバン〜シソフォン〜ポイペット間約385キロメートル)及び新線(南線:プノンペン〜タケオ〜コンポート〜シアヌークビル間約265キロメートル)から構成されている。

旧線は、1942年までに建設されたものであり、途中32駅と14停車場、178の橋梁がある。タイ国境につながるシソフォン〜ポイペット間48キロメートルは、路線内の地雷は撤去されたものの、未だに不通となっている。

新線は、首都プノンペンとシアヌークビル港を結ぶために1960年代に建設されたもので、途中18駅、7停車場、97の橋梁がある。

新旧線とも電化はされておらず、ディーゼル機関車による運行となっている。アジア開発銀行等の支援により1996年までに応急的修復が一応終了しているが、路盤の沈下侵食や橋梁の老朽化等未だ多くの問題点が残されている。

運行状況は、治安対策のため昼間のみの運行で、また、信号設備や路盤の不備のため2日1往復もしくは1日1往復程度に止まっている。運行速度は時速10から35キロメートル以内に制限され、バス等の道路輸送に比べて多くの輸送時間を費やすことになる。例えば、プノンペン〜シアヌークビル間の所用時間は、鉄道で11時間、バスで3.5時間となっている。

 

 

 

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