日本財団 図書館


また、1980年代には年間約50億ドルを費やしてきた海軍艦艇修繕も、現在は年間約30億ドルのレベルまで落ち込んでいる。

1999年冒頭の一般教書演説においてクリントン大統領は、1985年以降減少の一途をたどっていた国防予算について、今後6年間の予算増額をコミットしたものの、その後発表された2000-2005会計年度の長期計画によるとこの間の海軍艦艇建造隻数は年間平均7.8隻とされており、隻数ベースでは依然として1980年代の5分の2の水準でしかない。

「6大造船所」を代表する業界団体である米国造船協会(ASA)は、海軍艦艇300隻体制を維持するためのアクションプランを提案しているが、それによると2000-2007年の間の8年間に年平均11.3隻の新造が必要であり、海軍艦艇建造予算を年間20〜30億ドル程度増加する必要があるとしている。しかしながら現下の政治情勢や国際情勢において、このような大幅な海軍艦艇予算の上乗せがなされる可能性は低く、艦艇建造・修繕造船所における厳しい競争環境は依然続くものと見られている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION