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第4章 インドネシア造船関連産業の見通し

 

4.1 船舶の需要見通し

インドネシアは17,000以上の島々からなる群島国家であり、老朽化した船舶の代替や経済の成長に伴う船隊の拡大など、常に船舶への需要が存在している。

労働力、食料、日用雑貨、農業・工業・鉱業製品、建設資材、燃料、食用油及びその他数多くの物資がある場所から他の場所へと、陸上、海上そして航空輸送手段によって輸送され、この中では海上交通が最も効率が良く経済的である。

国家開発の為には良質で効率がよく効果的な海上交通手段が必要であることは明らかであり、インドネシアは国民が利用しやすい低料金で、安全かつ迅速、円滑、定期的そして便利な交通システムを保有しなければならない。客船、貨物船(コンテナ混載及びコンテナ船)、タンカー、バラ積み船、フェリーボートなど様々なタイプとサイズの船舶が必要である。更に引船、浚渫船、巡視船、捜査船、沿岸油槽船、漁船その他の作業船や特殊船舶が必要である。

 

4.1.1 船隊総数及び船舶需要推定

海上交通局総合理事会(Directorate General of Sea Communication)のまとめた記録によると、現在インドネシアは6,213隻の船舶を所有し、容積トン数は約630万DWTである。船舶の寿命を約20年とすると、毎年およそ5%の船舶がスクラップされることになり、これが年間約5%×6,300,000DWT=315,000 DWTの船舶需要を生み出すことになる。インドネシア造船業の年間造船能力は約200,000Tであるので、現在のところインドネシアの造船業には、国内の船舶需要を賄うだけの能力がない。更にこの数字には、将来的な船舶需要の増加や輸出の可能性が含まれていないことを考慮しなくてはならない。

 

4.1.2 国内運行における自国船限定原則、貨物輸出入の公平な割当てと船舶需要の予測

現在のところ、国内島しょ間の交易においてインドネシアの船舶による貨物取扱は54%にとどまる一方、国際貿易においては全貨物の3%のみである。

 

 

 

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