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調査対象となった会社の大半は技術仕様及び価格面で顧客のニーズを満たすことができると考えられる。しかし、それら会社は注文の納期を満たすには不十分であることを認めている。大半の会社はまた現在保有している技術水準が平均的またはそれ以上であるとしているが、一部は技術水準の向上が必要としている。造船関連産業で現在利用されている技術は国内及び海外から調達されたものである。国内で設計または応用された技術は特に国内資本による中小規模の会社で利用されている。より大きな規模の合弁会社は種々の製品を製造または組立するために必要な技術のライセンス供与を受ける傾向にある。

大半の会社は造船関連産業で以下の弱点があることに合意している。

a. 輸入原材料に対する依存度の高さ

b. 社内の研究開発能力の欠如

c. 教育水準の高い訓練されたワーカーの不足

d. 秩序正しいワーカーの不足

e. 社内教育を施す能力の欠如

 

インドネシアにおける経済危機は全体として産業に影響をもたらしたが、もっとも影響を被ったのは金属、機械、化学産業であった。1998年の保有設備に対する操業率は42.2%であった。造船関連産業において、大半の会社は生き残りをかけて生産調整を図るとともに、変化しつつある市場において縮小した需要を満たすため他の製品を生産するなどの手段を講じた。いくつかの革新的な会社はその製品を輸出することに成功した。現在、訪問した会社の大半は非舶用製品の製造が主要活動となっており、舶用製品は注文に応じて生産されている。

規模の大きな会社は舶用製品を海外の著名な会社からライセンスまたはその他の契約で生産しているか、あるいは技術供与と資材・機器の調達が外国側のパートナーにより行われる合弁形態で舶用製品の製造を手懸けている。例えば、PT. Pindad社の場合、空気圧縮機やデッキ用機器はドイツのHatlapaのライセンス契約で製造され、PT. INTI社の場合、通信機器は株式会社日本ラジオのライセンス契約で製造されている。合弁形態にはPT. Delta Santaと新潟鉄工所の合弁会社PT. Nisdemi、PT. Guna Electroと株式会社酉島ポンプの合弁会社PT. Torishima Guna Indonesiaなどがある。設計やエンジニアリングを国内で行っている小規模の民間企業もある。これら会社は全般に独自の検査設備を保有しておらず、検査業務は専門の業者に委ねている。それら検査会社には以下が含まれる。

 

 

 

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