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刊行によせて

 

当財団では、我が国の造船関連事業の振興に資するために、「造船関連海外情報収集および海外業務協力」事業を実施しております。その一環としてジェトロ関係海外事務所を拠点として海外の海事関係の情報収集を実施し、収集した情報の有効活用を図るため各種報告書を作成しています。

 

かねてよりインドネシアでは、造船関連工業が未発達のため各種ぎ装品、舶用工業製品等の多くを輸入品にたよっていることが造船業界の問題点の一つとして上げられています。一方、インドネシア造船界は、経済危機等により輸出に有利になった為替レートや積極的な外資開放政策などを背景に、今後増加すると見込まれる舶用工業製品の需要に対応して、外資や外国技術の導入などによる基礎的な舶用工業製品国産化の推進策の検討を開始しています。しかしながら、経済危機により、造船関連工業界も大きく混乱したため、その現状にかかる基礎資料が整備されていないのも実状であり、インドネシア造船界においては、緊急の課題としてこれら基礎資料の整備が強く望まれています。

また、我が国造船業界の経営環境をみると、今後の造船需要の低迷や世界的な供給力過剰などから世界の造船市場における競争はますます激しくなるものと見られ、我が国造船業界も海外戦略の策定や調達先や分業先のメニューの拡大などが重要になってくるものと考えらます。

本レポートは、このような状況を踏まえ、アジア経済金融危機の影響により混乱したインドネシア造船業の再建を支援するとともに、我が国造船事業者等における今後の海外戦略の策定に資するため、ジェトロ・シンガポール・センター船舶部がインドネシア造船工業会等インドネシア造船関係者の協力を得て取りまとめたものです。

このレポートが、関係各位に有効に活用いただければ幸いです。

 

2000年5月

財団法人 シップ・アンド・オーシャン財団

 

 

 

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