船主が船舶管理を委託すると、A社は特定の船主の船舶を担当する船舶運航者と技術監督のチームを編成する。技術監督は保守・整備の全ての面を担当する一方、船舶運航者の主要な役割は、常に担当船舶の運航管理を実施することと、船舶、船主及びチャータラーの主要な調整役となることである。また、監督は、運航に関する全ての面について、事務所内の他部門との調整を行う。(資料6参照)
・Acomarit Integrated Management System
A社における最新の進歩の一つに、船舶、船主及び船舶管理者をリンクさせた総合管理システムの導入がある。このシステムの導入により、船主は、オンラインにより船舶管理事務所と同じ情報にアクセスできるようになり、いつでも運航のモニタリングや運航状況のチェックが可能になった(資料7参照)。
b) マンニング及び教育訓練
アコマリットグループは、グループの管理船舶に雇用されている約8,000人を越える船員へのアクセスを持っている。このうちの50%以上はタンカー乗船経験者である。A社は、乗組員の選定、評価及び訓練の厳しい方針を持っており、船員の90%はアコマリットマンニングオフィスを通して直接雇用契約をしている。全てのアコマリットグループのマンニングオフィスはISO9002を取得し、DNVの"Crew Manning"に従って運営されている。
c) Commercial Management
船舶所有者に業務部(commercial department)がない場合、アコマリットグループは、その全て又は一部の役割のサービスを提供する。アコマリットグループは、効率の良いFreight Collection(船荷収集) とPost Fixture Serviceを実施している。
d) 財務管理
アコマリットグループは、財務・会計管理、船荷収集及び購入管理のシステムを独自に開発しサービスを提供している。
2) 船員管理
A社は、品質管理の80%は船員の質によると考えている。A社は、供給元を管理し、選定・評価・動機付け及び教育訓練を通して望ましい基準を得るため、早い段階から自前のマンニングオフィスを設立する方針を持っていた。A社の船員の90%は同社のマンニングオフィスから来ている。
主要な船員の国籍は、フィリピン、ロシア、ウクライナ、クロアチア、インド及びラトビアであり、欧州人の航海士を中核に据えている。
A社は、ドライカーゴやタンカー乗船経験のある多くの船員を抱えているほか、各マンニングオフィス毎に各種の技術を有する船員を確保している。