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D社は、船団管理方式を採用しており、15隻から20隻を一船団として管理している。

Ship Managerは、船舶と陸との主要なコンタクトポイントであり、各船舶のオペレーションの調整を行う。Ship Managerは、船長クラスの航海士経験者であって多くのタイプの船舶の乗船経験のある者が任命され、通常7隻から10隻を担当する。

技術監督(Technical Superintendent)が各船舶ごとに任命され、担当船舶の状態のモニタリングを行うとともに、船舶の性能及び運航の全ての面に責任を持つ。これには、予備品の供給の承認、予防保全管理(Planned Preventative Maintenance)及び突発的な保守整備のモニタリング並びに検査時期に確実に検査を実施することが含まれる。技術監督は機関長経験者であり、4隻から5隻の船舶を担当する。

各船団はFleet Managerにより統率され、その下にShip Managerと技術監督がつく。

運航部長はグラスゴー及び香港のD社により運航される各船団の全ての技術管理について監督する。運航部長はManaging Directorに対して責任を有する。

 

2) 船員管理

D社は約3,000人の船員を擁している。全ての船員は、厳格な採用方針により採用されるとともに、定期的な能力評価及び必要に応じた追加訓練を受ける。D社の全ての事務所はDNV Crew Managementの証書を受けている。

D社の船員の出身は約15カ国にのぼるが、大半は英国人、インド人又はフィリピン人である。海外の船員を採用するための事務所は1986年に設立されたが、これらはD社に訓練された船員を供給している。

D社のスタッフは、社員能力評価システムに基づき、継続的な能力評価方針に従う。

教育訓練は、投資であり、本社管理の教育訓練基金で実施している。教室での教育は海上での実地訓練により補強され、広範囲のセミナー等で補完される。セミナーの内容は変化に富んでおり、トピック事項や船舶の運航にあたって直面する新しい法規、技術、専門分野の知識をカバーするものである。

コンピュータ教育は、システム部において実施される。この訓練と船上のソフトとハードの継続的な標準化とリンクした資料は、船員を高いレベルに教育する。

D社は、実習生の教育計画も持っており、現在約85人の実習生を参加させている。

 

3) 購買

D社は、予備品や部品の主要な供給者の登録制度を持っており、主要な供給者については定期的にチェックを実施している。また、多くの主要な供給者(例えば、MAN B&W、E.M.T.S、Kopcke Group、Framo A/S、Fuji Group)と協力協定を結んでいる。さらに潤滑油、化学物質、ガス及びペイントの年間供給契約等も締結している。これらの協定や供給者との長期的な関係は、コスト改善に寄与している。

 

 

 

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