日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 産業 > 運輸.交通 > 成果物情報

欧州におけるショピング・ファイナンス調査

 事業名 基盤整備
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


海運会社の格付けは、事業面と財政面の両方に基づいている。利息及び元本の期限通りの返済能力が、主要要素である。発行人が経営する部門も決断の対象となるが、専門化及び多角化については、議論の余地がある。また、長期用船が魅力的か、船舶資産の売買の可能性が魅力的かについても意見の分かれるところである。

格付け機関は、市況や財政状態の全般的な、あるいは特定な変化に応じて、債券を再格付けする。この様な再格付けは、市況の変化を先取りすることもあるし、これに従う場合もある。銀行債務と違って、債券は投資家により売買されることができる。この流動性が、投資家に対して損失や投資ポートフォリオ構成への適当なヘッジを提供することができるのである。債券の取引価格は、市況や発行人の財政状態が悪化すれば下がる。これによって、債券の利回りが増えることになるが、発行人によって支払われる額面価格には影響がない。

発行人の視点からは、ハイ・イールド債ファイナンスの利用は、銀行債務の興味深い代替措置となりうる。最大の魅力は、一般的には10年後の一括返済という返済構造である。これに対し、海運銀行債務は、定額均等償還、または、少なくとも、通常7〜10年間の毎年返済+25〜50%の最終回多額返済が求められる。これは、通常の10〜15年の償還期間と等価である。ハイ・イールド債発行の魅力は、元本の返済がないため未払い金準備率が低く、借入人のキャッシュ・フロー保留力を向上させることである。反対に、そうやって節約されたキャッシュ・フローは、より高い債務コストを支払うのに必要な利益を生み出すために再投資する必要がある。同様に、借り入れた資本も、元利償還ではなく投資に向ける必要がある。結果としては、債券利息支払い不履行を防ぐためのキャッシュ・クッションの低下を招く可能性もある。

債券発行は、通常、総額1億ドル以上で行われる。これは、債券発行時の高額の手数料に見合うものとするとともに、第2次市場での取引に十分な量を出回らせるためである。これらの高額な手数料は、債券発行を引き受け、投資家への配当を提供する投資銀行に支払われる。高いコストは、関連の証券法に適合させるとともに、適切で十分な注意が払われていることを証明するのに必要な詳細な法律上の業務の実施にかかわっている。債券発行は、通常、手形や債券の額面価格に対して割り引いて売られる。割引の度合いは、格付けによるか、当該手形や債券のタイプに関する市場需要による。高額な手数料や費用とあいまって、高い発行割引や利回りは、借入人にとっての最終的なコストを異常に高くする結果をもたらすこともあり得る。

 

5.10 公募債及び手形ファイナンス-EMEの発行者

ハイ・イールド債市場における海運関係の債券発行者には、2つのタイプがある。1つは、定額で満期まで限られた返済しかない長期の債務を求めるものである。この種の発行者は、債券ファイナンスを銀行債務にかわるものと考えている。2番目のタイプは、増資をしたいが所要の増資ができず、あるいは必要な資本価値を生み出すことができない(または、その価格を支払う能力を示すことができない)者である。上記の双方にあてはまる者もあろう。

表5.Fは海運会社が発行したハイ・イールド債をリストにしたものである。EMEが基本的に支配している会社によって発行されたものは、総計31億ドルであり、一方、その他の地域による発行は総計21億ドルである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
853位
(31,092成果物中)

成果物アクセス数
11,250

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年5月18日

関連する他の成果物

1.平成12年度 技術開発基金による研究開発報告書
2.The Northern Sea Route The Shortest sea route linking East Asia and Europe
3.欧州船舶管理会社の調査-船舶管理の観点からの舶用機器メーカーの目指すべき方向の検討-
4.インドネシアにおける造船用資機材調達の現状及び将来に関する調査
5.米国造船業の集約化に関する調査
6.東南アジア造船関連レポート19
7.ポーランド造船業の現状と展望
8.欧州における舶用工業企業の合併・買収に係る調査
9.米国における軍事技術の舶用工業への転化の実態・調査報告書
10.米国海運業(貨物輸送)のM&Aに関する調査報告書
11.豪州の海洋レジャー産業の現状
12.ジョーンズ・アクトに関する調査報告書(米国の内航海運等保護制度)
13.米国における海賊対策等に関する調査報告書
14.新世代のRoPaxが欧州市場に及ぼす影響
15.欧州における主機関の動向調査?ディーゼルエンジン・ガスタービン
16.中国造船業の概況
17.アジア市場におけるアセアンフェリー導入支援調査
18.環境にやさしい船舶と舶用機械設計の実際に関する調査報告書
19.米国における舶用エンジンからの排ガス規制に関する実態調査
20.東南アジア造船関連レポート20
21.タイ国におけるモーダルシフトに伴う新規造船需要に関する調査報告書
22.東南アジア・オセアニア地域海事事情調査
23.定期メンテナンスのお知らせパンフレット
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から