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海運業におけるリース・ファイナンスは、海運企業の統合が進み、財政基盤が強化され、公開債務や投資市場へのアクセスができてくるにしたがって増大していくものと期待される。借入人にとってリース・ファイナンスの魅力は、貸出人の節税措置を有効に利用して、借り入れコストを減少させることにある。ヨーロッパの各税務当局が課税控除システムを微妙に調整し、EU内での調和を追求するに従って、タックス・リースのコスト上の利点は減少し、EME海運業の資本源としてのリースは、ゼロかマイナス成長という結果となりうる。

 

表5.D:1998年及び1999年当初4カ月に報告されたリース取引

(単位:百万ドル)

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5.8 公債及び手形ファイナンス-新しいがマイナーな海運業の債務源

公債市場は、投資等級と非投資等級の発行人とに分けることができる(その定義は下記を参照)。わずかな例外を除いては、海運会社は非投資等級の部門に入る。1998年だけで全産業部門の国際非投資等級の債券の発行量は、約1,230億ドルであった。発行のほとんどは、大手米国公開債務市場にてなされたものである。ヨーロッパ市場では、わずか70〜80億ドル程度が発行されたにすぎない。この報告書の中では、公開債務の債券及び手形発行を「公債(公開株式債務)」と呼ぶ。

 

 

 

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