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多くの老舗の同族海運会社は、同族及び公開の双方の株主を有する法人へと発展していった。こういった会社は、通常、近代的な法人組織を有しており、法人ベースで資金調達を行うことが多くなっている。経営陣は、今日では、所有者との関連が全くないか、少ししかない専門家達であることが多い。しかしながら、重役会レベルや主要な管理職の中に、創設者の子孫が入り、一族の利権を代表していることが多い。典型的な構造を図5.Cに示す。

 

図5.C:一族企業の構造の事例

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こういった法人の多くは、ここ15年ぐらいの間に、更に変化を遂げ、所有一族は法人責務からは距離を置くようになり、新しい世代の所有者は、多種多様なポートフォリオに投資することを好むようになってきている。事業統合や公開会計責任等によって、更に事業の「法人化」が必要になってきている。

貸付の構造も、一様ではないが、徐々に、時代の流れに適合してきている。企業の約定のみを信頼した担保なし企業債務やマイナス担保に代わって、担保付きの貸付や区分現金収支・担保方式に置き換わり始めている。典型的な構造を図5.Dに示す。

 

 

 

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