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第5章 EMEの海運業への資金供給源

 

5.1 EMEの資本供給源(まとめ)

第4章で、主要な資本供給源が確認された。債務は、商業銀行や政府管理の金融機関(ここでは政府機関と呼ぶ)による優先弁済債務の形で供与されるもの、公開及び個人の債務資本(ここでは一般に「債権」と呼ぶ)で債務者が海運会社(金融仲介機関へ資金供給する債券とは別個のもの)であるもの及び実質的に負債形式の債務であるリースとに細分される。この報告書では、これら全てが債務を構成するものとみなす(従って、これら全てが債務総計に含まれる)。銀行債務のポートフォリオや公債発行については、公開の、あるいは未発表の情報や、市場経験に基づいて分析が可能であるが、リース量については、分析がより困難である。これは、リース取引は公表されない場合が多く、リース期間が通常非常に長期間であるため、取引が継続中であるかどうかは当事者のみしか知らないためである。このため、リース量のデータに関しては、慎重な取扱いが必要である。EMEにおける債務の内訳を、図5.Aに示す。

 

図5.A:EMEの債務構成(1998年12月現在)

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次項では、EME海運業への資金供給に用いられる資本の主な形態について、資金供給におけるその割合、資本の使用者及び供給者双方の規準及び関連資本の主要供給者と主要使用者の面から検討する。この報告書では、優先弁済債務の重要性に鑑みて、この種の資本の記述に最も重点を置いた。

 

 

 

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