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世界の海運業の資本構成に大きな影響を及ぼしている事項として、北米のクルーズ会社の支配的な存在があげられる。カーニバル及びロイアル・カリビアン・クルーズの2社で、上場株式資本総額の32%にあたる240億ドルを超える公開株式資本を有している。これらの会社の株式評価額が、その船舶資産の市場価値を大幅にこえてしまうために、世界海運業の資本源構成シェアを歪める結果となっている。EMEには、この様な資本価値の高い上場クルーズ会社がないため、おそらくEMEの数字の方が、海運業の資本構成についての伝統的な見方をより如実に示していると言えよう。

なお、主要な資本源については、次の項で述べる。

 

図4.B:EME海運業の資本構成

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4.2 銀行、公開及び政府機関の債務-世界的状況

世界の海運業に供与された債務総計は、1998年末でおよそ1,304億ドルである。この中には、海運融資のポートフォリオが貸付残高1億ドルを超える海運ファイナンスで活躍している銀行57行によって供与された958億ドルが含まれている。新造船契約に融資を行う8つの主要政府機関2によるローンは、194億ドルになる。残りが公開債務の52億ドルと税金タックス・リースの100億ドルである。これらの評価は、債務総額の21%は公開された情報から、17%は口頭による確認に基く分析によるものであり、残りの62%は、コンサルタントの経験とノウハウに基づくものである。

 

2 Danish Ships Credit Fund、日本輸出入銀行、韓国輸出入銀行、Finish Export Credit、KfW/Hermes、COFAC、SMFC及びMarAd

 

 

 

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