日本財団 図書館


今やヨーロッパ・中東は、世界の船腹の資本評価総額の42%を占めており、ウェットバルクの46%、ドライバルクの30%を占めている。極東地域は総額の33%、ウェットの31%、ドライの58%を占めている。ここ2、3年で、極東地域が支配するウェット及びドライ船舶の価値がヨーロッパに比べて増大しているが、これは、支配船腹の船齢構成の変化によるものである。一般に、ヨーロッパの支配船腹は、アジアよりも高齢であり、相対的にヨーロッパ支配船腹の方が低価値となっている。また、北米はその他の船舶についてDWTでは15%を支配しているに過ぎないが、資本価値総額ではその30%を支配している点が、注目される。これは、高価値/DWTが小さいクルーズ海運事業の実質的支配が、北米の企業に地理的に集中していることを意味しているものである。

 

2.5 船齢

世界の現存船腹を船齢で分類することもできる。ウェット及びドライバルク部門のほとんどの船舶は、定期的な保守整備を着実に行えば25年の耐用年数があるものと考えられている。一般貨物やその他の部門では、ほとんどの船舶は30年の寿命と見られている。全ての船舶は、5年ごとにドック入りして定期検査を受け、その中間(2〜3年目、7〜8年目等)には、中間検査を受けなければならない。5年ごとの定期検査は、特に興味深いものである。というのは、この時期に所有者は、修理に大きな額を投資するコストと、これからの5年間での船舶の売却可能性を秤にかけなければならないからである。船腹の船齢構成は、船腹の価値や代替建造需要に非常に密接な関係を持っている。船齢構成における特定の船齢への片寄りは、いつの時点でも、将来の需給バランスや新造船発注に影響を与える。

 

図2.D:ウェットバルク部門の船齢構成

018-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION