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3.2.5 コスト検討

SLTではシリンダ内最高圧力、ピストン速度を従来の機関に比べ大きく上昇しているため、各構成部品の強度計算と同時に使用材料についても検討を行い、特殊材料の使用(材料のグレードアップ)は不要であることを確認した。

台板、架構、2分割式ピストン、ピストン棒および連接棒については、強度を保持したままで重量の軽減を行い、また、チェーン駆動方式の採用により部品点数の削減によるコストダウンを図った。

弊社の従来機関の部品流用について留意し、機関部品の共通化、モジュール化を行った。

基本設計を基にして、社内各部署と協議し、鋳物や木型製作工数および機械加工工数の削減による製造コスト低減について検討を行った。その結果を製作図に反映させる。

試験機関の部品製作時、機関組立時に検証を行い、製作上および組立上の改善項目の洗い出しを行い、その結果を実機の設計に反映させる予定である。

 

4. あとがき

 

本研究開発は低速4サイクル機関の特徴を生かしたままでロングストローク化をはかり従来にない高出力、低回転でクリーンな機関を開発することを目的として3ヵ年計画で実施するもので、平成12年度は初年度として要素検討、基本設計を行った。

要素検討では、スリット付きライナ、2分割式ピストン、その他主要部の検討を行い、機構上および強度上の問題がないことを確認した。

要素検討結果を基に6気筒機関の基本設計を行い、従来の4サイクル機関や2サイクル機関と充分に対抗し得る機関であることを確認した。

平成13年度は試験機関の設計、製造を行い、コストダウンを主眼において製作上の問題点、改善点の洗い出しを行う予定である。

平成14年度は試験機関による試験運転を行い、各種計測による主要部品の強度の検証および機関性能の確認を行う予定である。

 

 

 

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