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2.3 水槽試験による船型開発

2.3.1 水槽試験の概要

図1に示した本年度船型(C船型)の長さ2.0m模型船(M.S.No.0044、硬質ウレタン製)を製作し、以下の水槽試験を回流水槽にて行った。

1) 抵抗計測による船尾形状等検討試験

<70%載貨状態にて、トリム、トリムタブおよび船尾端延長の検討>

2) 抵抗試験<満載状態>

3) 船側波形計測<70%載貨(2)状態>

4) 自航試験<満載状態および70%載貨(2)状態>

5) 流線観察<70%載貨(2)状態>

なお、70%載貨(1)状態はトリム1.30m、70%載貨(2)状態はトリム0.60mであり、模型船の副部はバウスラスター孔および舵(1枚)である。

 

2.3.2 船尾形状等検討試験

70%載貨状態における抵抗試験結果(全抵抗係数rT)を図11(1)および図11(2)に示す。なお、Scboenherrの摩擦抵抗計算式を使用した。70%載貨状態においては、トリムの少ない70%載貨(2)<トリム0.60m>状態の方が全抵抗係数が小さかった。また、トリムタブを付加(withTab)すると全抵抗係数が小さくなった。70%載貨(2)<トリム0.60m>状態における船尾端2m延長(Long Overhang without Trim Tab)は、抵抗減少の効果はあるものの、その量はトリムタブ付加よりは劣った。

 

075-1.gif

図11(1) 抵抗試験結果(1)

 

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図11(2) 抵抗試験結果(2)

 

70%載貨(2)<トリム0.60m>状態の船尾形状による沈下量の相違を図12に示す。平均沈下量の相違はほとんどなかった。しかし、トリムタブを付けることにより、A.P.の沈下量が減るために船首トリムが大きくなり、F.P.が沈下した。船尾端2m延長も同様の傾向であるが、その量はトリムタブの影響より小さかった。

 

 

 

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