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2.2.2 試験条件

試験装置調整試験として、触媒を充填した状態で、脱硝試験装置の温度特性や還元剤気化特性など総合調整試験を実施した。特に、第1気化器(内蔵型)を用いて脱硝試験を行った結果、第2気化器(据置型)と同等の液体還元剤気化性能を有することを確認した。そこで、表4に示すような試験条件に基づき、脱硝特性評価試験を実施していくこととした。

なお、表4においてC/N比は以下の式により算出され、排ガス中窒素酸化物の変動量に依存しないように定義された還元剤供給量を表している。

032-1.gif

 

表4 試験条件

<還元剤供給方法変更試験>

032-2.gif

 

<脱硝特性評価試験>

032-3.gif

 

2.2.3 還元剤供給方法変更試験(触媒1層での試験)

(1) 還元剤種類(プロピレン、灯油)比較試験-表4:Run No.1〜No.4

まず第2気化器を用い、触媒層入口温度250℃一定で還元剤であるプロピレン、灯油供給量を変化させた場合、すなわちC/N比変更試験を行った。図8に示すように、灯油供給量を増加させる毎に脱硝性能は向上し、C/N=4.0前後で脱硝率は一定となり、還元剤にプロピレンを用いた場合とほぼ同等の性能が得られた。但し、灯油よりもプロピレンの方がC/N比が小さい領域で脱硝率が最大となるが、これは灯油およびプロピレンそのものの化学結合状態に起因しており、プロピレンの方が灯油よりも脱硝反応性が高いためと考えられる。また図9はこの時のTHC濃度計測結果であるが、図より灯油を用いた場合には、出口温度がプロピレンよりも低い分、脱硝に寄与しなかった灯油はあまり燃焼せず、リークHCとして触媒下流に流出するものと考えられる。

次に第2気化器を用い、C/N=3.5(灯油25ml/min)定で触媒層入口温度変更試験を行った。図10に示すように、灯油を還元剤に用いた場合、245〜250℃付近で脱硝率は最大となり、それより低い温度では急激な脱硝性能の低下が見られた。また図11に示すように、それに伴い出口温度も低下し、リークHC濃度も激増していることがわかった。これはプロピレンよりも高い温度域で最大脱硝性能が得られたが、灯油の方が還元剤反応性が低いため、脱硝反応を生じるにはより高い温度が必要であったためと考えられる。

 

 

 

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