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2.2 液体炭化水素系還元剤を用いた脱硝特性評価試験

2.2.1 試験装置

平成11年度に設計・製作した図3に示す脱硝試験装置を用い、液体炭化水素還元剤として、燃料油から得られる軽質分とほぼ同等の成分を有する灯油を供給した場合の脱硝特性を評価した。図4に脱硝特性評価試験装置の全景写真を示す。使用する試験装置は図3に示すように大別して、反応器、還元剤供給システム、排気ガス温度コントロールシステム、排ガス中間冷却器、試験機関等から構成されている。反応器は表1に示すような仕様であり、触媒を内部に装填し、脱硝反応を行った。触媒はハニカム形状の白金-ゼオライトであり、その仕様を表2に、外観を図5に示す。触媒1層当たり合計18個のハニカムを用いた。還元剤供給システムは、平成11年度に行った液体還元剤の気化器評価試験・拡散評価試験に基づき、霧化・加熱方式を採用した。液体還元剤気化器は、灯油を霧化するための2流体ノズルが内蔵されており、キャリアガスとしての窒素を加熱するためのヒーターを備えている。また、図6に示すように排ガス本体の熱を利用して加熱する目的で、排ガス流路内の第1触媒槽前に設置された第1気化器(内蔵型)、あるいは外部の熱を利用して加熱する目的で、排ガス流路外の第2触媒槽前に設置された第2気化器(据置型)の2タイプの気化器を用いた。排ガス温度コントロールシステムは、冷却方式としてシェルアンドチューブ方式を採用し、排ガス温度冷却に伴い発生する凝縮液をデミスターにより分離した。排ガス中間冷却器は、チューブ方式・3系統切替により触媒層入口温度を制御した。試験機関は当社保有のRIV/25S型試験用ディーゼル機関であり、主要諸元を表3に、外観を図7に示す。本機関は機関本体、燃料供給装置、動力計、その他冷却や潤滑などのための補機類からなっている。燃料にはA重油を用いた。排ガス濃度計測には、NOx計、O2計、THC計を用いた。

 

表1 反応器の仕様

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表2 触媒の仕様

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図3 脱硝特性評価試験装置フロー

 

 

 

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