日本財団 図書館


写真20に加速耐久試験の実施状況を示す。

試験結果を図13に示す。1800時間経過後も、開発材の摩擦抵抗は目標である、従来塗料より5%低い値を示しており、3年間相当の耐久性を有していると考えられる。

 

018-1.gif

写真20 加速耐久試験の実施状況

 

018-2.gif

図13 加速耐久試験の結果

 

2.8 参考文献

1) 尾野眞史、表面技術、47,8、672-6(1996).

2) 渡辺敬三、トライボロジスト、45,5、354-9(2000).

3) 永松哲郎、日本造船学会誌、836、113-23(1999).

4) 例えば田中丈之、塗装技術、1996年10月増刊、135-42.

5) 例えば藤田正敏、表面技術、43,10、921-6(1992).

6) 例えば河内尚、谷本善凡、荒木直行、NAVIGATION(研究・調査)、131、7-19(1997).

7) 若松富夫、津川俊一、来栖孝雄、材料とプロセス、3、636-9(1990).

8) 羽賀史浩、中島剛、三島彰司、平井誠、日本化学会誌、12、1045-50(1996).

 

3. あとがき

 

3.1 まとめ

従来の塗料に比べて水との摩擦抵抗が5%以上小さく、耐久性に優れたセラミック粒子複合塗料を得ることを目的として、材料の開発並びにその評価を実施し、以下の結果及び知見を得た。

1] 生物付着抑制効果があると思われるセラミックス粉末を選択し、生物培養用ウェル底面に担持してフジツボキプリス幼生の付着試験を実施した。その結果窒化ケイ素(Si3N4)、イットリア(Y2O3)、リン酸セリウム(CePO4)、疎水性シリカに生物付着抑制効果があることを見いだした。

2] 水中摩擦抵抗評価のためのリグ試験装置について、装置の剛性を高め、ローター回転軸、トルク計、モーター軸各軸間の接続方法を改良し、ローター回転軸の支持方法を1点支持から2点支持に変更した。これらの改良により、回転軸の軸ぶれを100ミクロン以内に抑えることができ、精度の高い摩擦抵抗測定が可能となった。

3] 撥水性と摩擦抵抗の相関を明らかにするために、撥水性の異なる試料についてリグ試験装置により、摩擦抵抗の評価を行った。その結果、低回転領域では従来塗料に比べて、撥水性、親水性の両方の試料に抵抗の低減効果があること、高回転領域においては親水性塗料に摩擦抵抗低減における優位性があることを明らかにした。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION