1.2.1 鉄鉱石運搬船
1986年及び1991年、1996年、1999年の船舶明細書からは合計59隻につき燃料消費率データが得られた。船型・船齢別のサンプル数は表1.2-1に示すとおりである。
タンカーと同じく、航海速度を揃えて式1により燃料消費率を算出し、DWTとの関係をプロットした(図1.2-1)。航海速度は、II. 調査の内容1.3.2(2)で設定したように、カテゴリーに係わらず15kntとした。なお、鉄鉱石運搬船では推進効率の低下による燃料消費率の経年劣化を5%/10年としている。
図1.2-1によれば、鉄鉱石運搬船の燃料消費率は20万DWT前後で明らかな不連続が見られた。この原因として、船舶明細書ならびに聞き取り等の調査結果によれば、1972年〜1988年に建造された20万DWT超級の鉄鉱石運搬船では新造当時から搭載馬力数を低く設定しているため燃費的には極めて優れた船になっていることによると考えられた(注;その代わりに航海速度、巡航速度は余り大きくできない)。
以上の結果、鉄鉱石運搬船については、18万DWTで船型を区分して燃料消費率とDWTの関係を直線式として求め(図1.2-1の下段に記載)、鉄鉱石運搬船のカテゴリー別平均DWT(表1.2-2)27から、カテゴリー別の平均的燃料消費率の推定値(t-Fuel/隻・日)を求めた(表1.2-3)。また、32万DWT以上の船のデータは船舶明細書に存在しなかったため、20万〜32万DWT区分の燃料消費率を代用した。