燃料の燃焼に伴うN2Oの排出は、燃焼雰囲気中においてFuel NOxあるいはThermal NOxへの酸化が完全に進行しない場合に生成されるものであるが、排気中水分がある状態でSOxとNOxとの反応からも生成するとも言われており、その生成過程は必ずしも解明されていない。
自動車用ディーゼル機関と大型船舶とのN22O排出原単位について、IPCCガイドライン値を表2.2-1に示す。
排出係数としてIPCC報告値の0.08g/kg-Fuelを用いると、全世界での舶用機関からのN2O年間排出量は約10.0×103トン/年であり、地球温暖化係数310を乗じてCO2量に換算すると3.1×106t-CO2/年と計算され、CO2排出量(374.6×106t-CO2/年)の約0.8%となる。
また、実際の国内における測定結果をみると、表2.2-2及び表2.2-3に示すようになっている。表2.2-3は陸上機関の測定データであるが、C重油焚きのほうが全体としては排出係数が大きい傾向がみられる。また表2.2-2に示した舶用のデータでは、2サイクルと4サイクルで傾向が異なるが、特に高負荷において低い値が観測されている。