9.2 海外広報活動
平成12年度において、造舶Webプロジェクトメンバを3度にわたり欧州・米国に派遣し、海外での広報活動と調査活動を実施した。以下はその報告である。
9.2.1 欧州における調査活動:平成12年5月25日〜28日
9.2.1.1 調査活動の概要
(1) 目的
・欧州での海事関係e-Commerceプロジェクトの動向調査(WonderMar Workshop出席)と造舶Webの欧州広報活動に向けたロンドンJSCとの事前協議
(2) 参加者(敬称略)
住友重機械 重松
(3) スケジュール(日時/訪問先/場所)
5月25日(木) 出発、コペンハーゲン着
26日(金) 第3回WonderMar Workshop出席
27日(土) ロンドンJSC訪問
28日(日) 帰国(+1)
9.2.1.2個別活動報告サマリ
a) WonderMarはEspritプロジェクトの一つであり、欧州内での海事関係の電子商取引(含む3D-CAD)のプロジェクトの紹介・情報交換の会合で、他産業の事例紹介もある。北欧が中心で60人ほどが参加していた。主催はEsprit、Balance Technology社(コンサルタント)、共催はMDCE (Maritime Development Center of Europe)。
b) 欧州海事関係のプロジェクトは基本的には「欧州を強くしよう」というスタンスである。欧州自身の自覚として国際競争力的にはいいポジションにはいないが頭脳を使って強くなろうという意気込みは感じられた。確かに大きなスキームを決めるのは得意である。
c) 広範囲(海のSupply Chain)にわたってプロジェクトある(その意味では進んでいる)も、実効があるのは少ない・実効あがるまで遅い、という印象は否めない。今回の発表でも実務適用済みというのはなかった。わずかに、船級と鉄鋼会社との材料証書の電子化の事例と、小企業向けの鉄鋼EDIサイトの構築(Ver.1)程度がすすんでいるようである。開発のための開発という印象をうける案件もあった。
d) 今回の収穫としては、文面では得ることのできない生の状況が体感できたことである。翌日ロンドンでJSC近藤氏と今後の欧州内での造舶Web広報方法について打ち合わせを行った。