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3.4.3 ブラックスモーカー

アメリカの潜水調査船が、太平洋の海底に潜り、下から上に押し出されたような海底から熱水を噴き出している多くの煙突を見つけました。煙突は大きなもので直径数メートル、高さ20メートルにもなり、特に黒い煙を噴き出す煙突を“ブラックスモーカー”と呼んでいます。海底にしみ込んだ海水は、海底下のマグマによって熱せられ高温の熱水となります。この時、熱水には多くの鉱物成分が溶け込みます。噴き出た熱水は、周囲の海水と化学反応をしたり、急激に冷やされることによって溶けていたものが海中に出てきます。海中に出てきたものは、海水よりも重いため落下しながら積み重なります。これが煙突(ブラックスモーカー)の正体です。

日本でも、沖縄島の北側海底で、ブラックスモーカーが発見されています。

 

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ブラックスモーカー

 

3.5 海はきれい?

(海洋汚染、海難事故、ビーチクリーン、バクテリア等)

人間の手で海が汚されることが海洋汚染です。1994年に発効された国連海洋法条約で決められた海洋汚染の定義とは、「海の生物や人間の健康、漁業などの営みに官営なものを人間が、直接、または間接的に海に持ち込むこと」です。

汚染には、ゴミや産業廃棄物の投棄、船の事故(海難事故)などによる石油の流出といった一過性のものと、工場や家庭からの排水、河川や大気からの農薬などの化学物質の流入といった慢性的なものとがあります。今、大きな問題となっているのは有機物による汚染です。その有機物は、私たち人間が出す生活排水に多量に含まれているのです。そのため、下水処理場はなくてはならない施設なのです。

 

 

 

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