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マリンスノーは、普通、深くなるほど少なくなりますが、500mあたりに多数見られることもあります。マリンスノーの数は、1リットルの中に数百個から一個以下まで、場所によって変化します。マリンスノーは1日に数十mから数百mの速さで沈み、深海生物の餌となります。海の表層の物質は、マリンスノーとなって、海底に運ばれます。

マリンスノーは、壊れやすくすぐ粉々になるので、特殊な照明装置を組み合せたカメラを使って、マリンスノーの大きさと密度が観測されています。

 

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マリンスノー

 

3.4.2 マリンスター(海の星)

潜水調査船で潜ってゆくと、光はどんどん少なくなり暗くなります。水深400mあたりで真っ暗になります。沈んでいる潜水調査船の窓から海中を眺めると、キラキラ光るものが見えます。これがマリンスター(海の星)です。マリンスターは強い光によって輝きます。日本の潜水調査船を運航しているチームが名付けました。

マリンスターの正体は、マリンスノー(海の雪)に付いている発光するバクテリアです。動いている潜水調査船が、まわりの水に浮かんでいるマリンスノーをかき乱したために、それに付いているバクテリアが驚いて発光したのです。

発光するバクテリアは、海にはどこにでもいるバクテリアです。物理的あるいは化学的な刺激によって発光します。

潜水調査船は強い光を出すストロボを持っています。これを前方に発光すると、ふだんは、窓のすぐ近くにあるほんの少しのマリンスターしか見られなかったのに、この時は遠くまで上下左右の一面が満天の星空のように見えます。

 

 

 

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