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『今を輝きたい』

 

茨城県多賀郡

十王町武道振興会

中学二年生

大友将之

 

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中学二年生になった今、僕は、中学校の部活動、道場でのけい古、そして塾通いという、ハードスケジュールの毎日を過ごしています。そんな毎日の生活の中で、道場での技のけい古や、テスト勉強が思うように行かなかった時など、ここが限界だ!この辺でいいかな?という、僕の弱い心の声が聞こえてくるのです。テスト勉強、この辺でいいかな?自分の剣道、この辺でいいかな?と。

中学生になって、剣道と勉強を、しっかり両立しよう。剣道を、言い訳にしたくないから。そう、強く心に誓った僕なのに。自分自身、情けなくなってしまうことがあります。

「今まで剣道をやってきて、何を学んできたんだ!ばかやろう!自分で、ここが限界と決めたところが限界なんだ。強い心を持ち続けていれば、自分の限界など、ないはずなのに。」

自分の弱い心に勝つということ。それは今までの生活やけい古を、どれだけ精一杯頑張り通せたか、そして、自分という存在に、どれだけ自信を持つことが出来たか、ということだと思います。

剣道の限界、体力の限界、学力の限界を、どこまで伸ばせるか、それが、これからも僕が、剣道生活を送る上での、一生のテーマであり、しっかり向かい合って取り組んで行きたいと思います。僕が、自分の存在に自信と誇りを持てる人間になるために!!強い心を持ち続け、もっともっと、自分の可能性に、かけてみようと思います。

平成十二年度、茨城県新人体育大会で、ほとんどの部員が道場に通っているという、僕達の十王中剣道部は、みごと優勝することができました。この大会での僕の役割は、ビデオ係でした。大会の二日間、ビデオを撮り続けました。さすがに長時間ともなると、カメラの重さで右手がしびれて感覚がなくなり、肩は、パンパンにはってしまいました。あの時のことは、今でも忘れられません。

レギュラーでなかった僕は、学校で、

「茨城県一番のビデオ係の大友君、優勝おめでとう。」

と、言われました。僕の撮ったビデオで、選手のみんなが、少しでも試合を有利に進めることができれば、僕は役割を果たしたことになります。たとえビデオ係でも、僕は、みんなと一緒に戦っていました。優勝したいという熱い思いは、選手のみんなと、一緒でした。優勝が決まったあの時の喜びは、最高でした。茨城県一番のビデオ係である自分自身に、誇りを感じました。

部活動の顧問の先生や、道場の先生方が、「この優勝は、選手だけが勝ち取ったものではない。全員で勝ち取った優勝なんだぞ!!。」と、おっしゃいました。僕は、この言葉で、自分の存在を認められた気がして、とてもうれしかったです。これからも、その時、その時に与えられた仕事、役割を精一杯果たし、たとえレギュラーでなくても、自分の存在に自信と誇りを持ち続けられるように、頑張りたいと思います。

まもなく総体が始まります。総体が近づくにつれて、道場の先生方も、一層厳しさを増し、技の練習、かかりげい古、じげい古などの、激しいけい古の毎日が続いています。道場の中は、今まで以上に、気合のはいった先生方や仲間達の声が飛びかっています。

今度の僕に与えられた役割、それは、七番目のレギュラーです。たとえ七番目の選手でも、選手であるという自覚を持ち、より一層真剣に、けい古に取り組みたいと思っています。

 

 

 

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