ご挨拶
本日、大島文部大臣並びに多くの来賓のご臨席を得て第三十五回全日本少年剣道錬成大会並びに第二十五回全日本選抜少年個人錬成大会が、五千人余の少年少女剣士と多数のご父兄を迎え、盛大裡に開催されますことは、喜ばしい事であります。
三十五回に及ぶ開催を思うとき、歴史の重みを感じ、本大会を充実したものにしていく責務を感じます。本大会がこの様に永く続けてこられたのも、文部省をはじめ関係各位のご支援の賜ものと心より感謝申し上げます。
現在我が国の経済は、一部回復のきざしは見られますが、なお一層の構造改革、IT改革に応じた努力が必要と思われます。英知を以て、経済回復及び改革推進に努めれば、必ずやその成果は表れてくると思います。日本は、アジア諸国や世界各国に大きな影響を与えています。従って国際社会での役割は大きく、日本に対する種々なる期待も責任も深まっています。その期待に応えるのは、世界的視野を以った人材であり人物であります。その事を思うとき日本を担っていくべき少年達の脆弱性を感じます。少年達の心身鍛錬の必要性、徳育の充実、更には創造力をもつ人材育成をと強く感じます。その育成に、剣道こそ最も適切であると思います。寒風の中の寒稽古、真夏の暑中稽古、板の間で正座、共に激しく打ち合う稽古が、人間形成に役立ち、人物を造るからであります。今こそ、剣道が再認識されなければならない時期にきております。次代を担う人物の育成という目的のもと、道場主各位の自覚とご指導を切に願うものであります。
参加選手は、この一年間の修業で培った不動の心と素晴らしい技を発揮し、精一杯よい試合をして下さい。短い試合時間ですが、修得した心と技を凝集し、集中し、それを初一本とし、花を開かせて下さい。物事に真剣に打ち込み、努力し、表現する習性を得れば、皆様の人生に必ず力になる事と思います。二十一世紀を担うべき、皆さんの心身の向上と大きな夢の実現を期待します。
最後に、審判員の先生方並びに本大会の開催のためご協力項いた関係各位に、心から厚くお礼申し上げ、私のご挨拶と致します。
