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タンク頂板は、主機関その他を支えるだけでなく、船底部における水密隔壁の役割ももっている。船底外板に破口が生じた際、水密の内底板が、船内への浸水を防ぐことになるのだ。内定板は、本船の36個の燃料油、清水、ボイラー水そして海水バラストの搭載場所に使われる各二重底タンクの天井部分を構成している。二重底タンクは、左舷端から右舷端にわたり、船体長の殆どの部分に設置されている。(二重底タンクに関する細部については、損害の項で説明する。)

 

損害

事件発生のため、旅客を下船させたのち、QE2は、ボストン市に移動してジェネラル・シップ・リペアー造船所の乾ドックに入渠した。乾ドック入渠中の1992年8月14日安全局の検査員による船体の現状、水面下船底板の損傷模様そして損傷が二重底タンク及びディープ・タンク(注14)の各内部鋼材、二重底内底板あるいはディープ・タンクに達しているかの検査が実施された。(二重底タンクの鋼材構造例については、第4図参照。)

注14 貨物倉下部にある乾貨物あるいは液体貨物積載に用いられるタンクのこと。

 

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図4. 標準的二重底構造

 

 

 

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