国家運輸安全委員会
ワシントン、D.C.20594
海難事件調査報告書
裁決:1993年5月25日
第5894A号
1992年8月7日英連邦王国旅客船:国営郵便輸送船クィーン・エリザベス二世号は、マサチューセッツ州ヴィンヤード海峡を外海に向け航行中、カッティハンク島の南方約2海里半の地点において乗り揚げた。本件では、死傷等の事態は発生していないが、物的損害は重大であった。仮修理、本修理に費やした金額は、おおよそ1,320万ドルである。その上、同年10月2日に再就航するまでの営業損失の総計は、5,000万ドルに達したと推定されている。
本報告書では、以下に述べる安全上の問題点について討議された。即ち、船内の連絡方法が妥当であったかどうか;船橋内の資源管理方法が妥当であったかどうか;浅海における船体沈下現象についての通達が妥当であったかどうか;使用海図の測量結果についての通達が妥当であったかどうか;事件に関わった乗組員への薬物、飲酒検査の検査員に対するコースト・ガードの指示内容が妥当であったかどうか;更に、船外退出時における身体に障害のある者に対する避難誘導手段が妥当であったかどうかと言った点についてである。
本調査の一結論として、当運輸安全委員会は、アメリカ合衆国コースト・ガード、運輸省、海洋・気象局、キューナード海運株式会社、合衆国水先案内人協会に提示する勧告書を作成した。