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5 隠れた要因の特定、及び

6 安全上問題となりうるものの特定と安全対策の策定

このプロセスについては、付録1で詳述されている。

 

2.1.2 ステップ1の系統的手法は重要な情報を見落としたり、あるいはなくしたりしないようにするため又、包括的分析を可能にする上できわめて重要である。

 

2.1.3 ステップ2は一連の事象や状況の経緯を明らかにするためステップ1で収集したデータを体系化することである。

 

2.1.4 ステップ3では、収集、体系化した情報を使って事故の原因となる要因、すなわち、不安全行為、不安全意思決定又は不安全条件を明らかにする。不安全行為、不安全意思決定又は不安全条件が明らかになると、プロセスは特定の行為、意思決定又は条件を発生させた源を確定する作業に移行する。

 

2.1.5 ステップ4は特定された不安全行為又は不安全意思決定のそれぞれにおけるエラーの分類又はルール違反を明らかにするためになされる。

 

2.1.6 ステップ5では、不安全行為、不安全意思決定又は不安全条件の背後にある隠れた要因の発見に焦点を合わせる。このプロセスの基本となるのは、隠れた要因のそれぞれについて単独又は複数の不安全行為、不安全意思決定又は不安全条件が関係しているという観念である。プロセスの各ステップを再検証することで更なる調査の必要性を明らかにできる。

 

2.1.7 最後に、ステップ6では特定した隠れた安全上問題となるものの特定と特定された隠れた要因に基づく安全措置の提案を要求する。

 

2.2 一般的留意事項

 

事件により重大な傷害、疾病、損害又は環境への影響、時にはこれら全てが起こることがある。海難の安全性調査の目的は是正措置を明らかにし、勧告することで同種の事件の再発を防止することにある。小さな事件であっても、確実に被害をもたらすと考えられるものは徹底的な調査をするべきである。研究から明らかになったように、事件には多くの原因となる要因があり又隠れた原因が事件現場から離れたところにあることが多い。こうした原因を正しく特定するには組織だった調査を時宜をえて行う必要があり、直接的証拠の域を越え又将来別の事件の原因となる隠れた条件を探さなくてはならない。

 

 

 

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