5] 企業別財務構造評価
企業別に財務構造を評価すると次表のようになる。相対的に見た場合、財務内容が良好なのは、現代重工業、韓進重工業である。三星重工業は、金利負担等のため売上高当期利益率が低く、また、不安定であることが問題であるが、財務の安全性は資産圧縮等により向上した。半面、大宇重工業は、従来はある程度良好であったものの、大宇グループ全体の経営破綻の影響で、有価証券評価損が発生し、一気に債務超過に転落した。バランスシート悪化の原因が、造船事業と言うより、グループ経営の破綻にあったために、大宇重工業から分離された大宇造船工業の業績は、売上総利益率が改善されれば順調に回復すると見られる。三湖重工業は、あらゆる面で財務構造が著しく劣っており、従来からグループの支援がなければ倒産を免れない状況にあった。結局、漢拏グループの破綻により、経営が行き詰まりを見せてしまった。現代重工業による委託経営を受け、将来的には吸収される可能性もあるが、そのことは現代重工業にとって負担となる可能性もある。