注:各社造船部門人員数の合計、年末基準
資料:韓国造船工業協会
(2) 労働賃金の推移
1999年の韓国の平均月間労働賃金は、全産業平均154万ウォン、製造業平均144万ウォン、造船業を含めた「その他輸送機器」193万ウォンとなっている。このように、韓国では、造船業の賃金水準は全産業平均、製造業平均を大きく上回っており、賃金水準の産業となっている点が特徴的である。その背景としては、大手造船企業が全て財閥企業であること、労働組合が強いこと、が指摘できる。
造船業の賃金水準が高いために、ホワイトカラー、ブルーカラーを問わず、労働力確保は比較的容易であり、日本で見られるような若年労働力不足問題は顕在化していない。
他方、労働賃金の推移について見ると、次の点が指摘できる。
かつて、韓国では年率2桁の賃金上昇が続いたが、財閥の倒産が相次ぎ、通貨危機が勃発した97年以降、賃金上昇は抑制されたかたちとなっている。