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3. 韓国造船業の現況

(1) 業界構造の特徴

韓国造船工業協同組合によると、韓国の造船所は中・大型9社、小型59社、合計68社(1999年)となっている。韓国の造船業は、日本と比べ、企業数が少ないのが特徴である。

 

図:韓国の造船所数の推移

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注:小型は韓国造船工業協同組合会員のみ(鋼船のみ)

資料:韓国造船工業協同組合/造船資料集

 

韓国の各造船所の建造量は、次表のように推移している。ここでの大きな特徴は、韓国造船業は大手の集中度が高い点である。1999年基準で見ると、韓国の新造船竣工量全体に占める上位3社のシェアは82.6%、上位5社のシェアは94.1%と大手造船所による寡占状態となっている。この点では日本とは大きく性格が異なっている。特に、大手3社の1社当たり建造量は日本の大手造船所に比べるとかなり多くなっている。

また、現代グループ3社合計の建造量は韓国全体の5割弱の水準を占めている点も特徴的である。韓国造船業界は事実上、現代グループ、非現代グループに二分化されているとも見ることができる。(現代グループは自社製舶用機器を採用する傾向があるため、日本の舶用機器企業にとって、韓国市場の半分弱については需要が取りこみにくいという点には留意が必要である。他方、現代グループ以外の大手造船企業についても、従来は内製化志向が見られたが、近年では主機部門を切り離されるなど、変化が見られる。)

 

 

 

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